徳島愛錦会のいにしえを辿る~世紀を超えて~
徳島愛錦会が品評会を昔は9月や10月にしていたということで昭和16年以前から
大正時代にかけて9月、10月の新聞記事を調べてきました。
大正11年には徳島愛錦会があったことが過去の新聞記事から確認できましたが
それ以前の新聞が保管がなかったり、記事の掲載がなかったりと徳島愛錦会が
いつから存在していたのか調べるのが手詰まり状態となりました。
第●●回品評大会の第●●回は会が発会してからの歴史を語る回数となります。
しかし過去に見つかった記事は品評会の回数を示す記載は全くありません。
どうにか調べる手立てはないものだろうか・・・・。
今まで見つけた記事をもう一度読み直します。
そうすると「本年最終」「本年度第二回」の品評会と記載があることがわかりました。
そうだ!
今まで品評会の告知や結果が載っているのだから年に数回開催しているのであれば
他の品評会も掲載しているのではないか???。
時代的にヒーターがない時代にあまり早い時期に品評会をしないだろうとの見込みで
8月の新聞記事に絞って調べてみます。
昭和16年から遡っていきましたが8月に品評会をしている記録がなかなか見つかりません。
見込み違いかと思い始めた矢先、昭和8年8月8日の新聞記事に品評会の番付が残っていました。
記事の内容は以下です。
※○は漢字が読み取れなかった部分です。
「徳島愛錦会 錦魚大会 徳島愛錦会主催錦魚大会は本社後援の下に六日通町事代主神社
境内にて開催○○左の如し」
○蘭鋳当歳の部 (番付記載省略)
○和蘭陀当歳の部 (番付記載省略)
○蘭鋳親魚の部 (番付記載省略)
○和蘭陀親魚の部 (番付記載省略)
やっぱり8月に戎神社で品評会が開催されていたようです。
ふたたび時代を遡ります。
昭和7年、6年、5年、4年、3年、2年・・・記事はまったく見つかりません。
大正まで遡ってきました。
昭和8年8月8日の記事から8月の第1日曜日に品評会を行っていたようなので
大正15年も8月第1日曜日である6日前後の新聞記事を中心に調べます。
とある日の日曜日15時から県立図書館に閲覧に訪問していましたが、
時間はもうすでに閉館が近づいている時刻です。
今日は大正15年を調べて最後かな・・・と思いながら
マウスのボタンをクリックして新聞の日付と頁を送っていきます。
大正15年8月10日。
クリックする手が止まり、静かに胸が高鳴ります。
記事の内容は以下です。
※○は漢字が読み取れなかった部分です。
「錦魚品評会 審査の結果発表 愛錦会主催第16回品評会は六日秋田町廊内に於て開催愛錦熱の高○せる富田、秋田町を中心に各愛錦家は続々出品しと遠く富岡町○○島方面よりの出品あり総出品数四百匹に達し近来に無き大盛会にして○に夜に入りては秋田町○○の(夜店)ありて参観者非常に多く午後十ニ時に閉会せり尚当日審査発表しそれぞれ賞品を授与せり
▲蘭鋳親魚 (番付記載省略)
▲和蘭親魚 (番付記載省略)
記事から大正15年8月6日の品評会は400匹に達する出品数で深夜12時まで盛り上がったようです。
夜店があったなんて記載がありますから、
お祭りの提灯の灯りで盥で泳ぐ錦魚を見ながら一杯なんてやりながら当時は楽しんだのでしょうかね。
なんだか想像するだけでも風情がありそうです。
そして、この記事を目の当たりにして歴史が紐解けた瞬間でもありました。
大正15年の品評会は第16回大会だったのです。
大正15年に第16回大会ということは徳島愛錦会は明治44年に発会し
第1回大会を開催したということなります。
今年で106年目に突入ですね。
世紀を越えて金魚愛好家が集う会、徳島愛錦会。
先達が夜遅くまで錦魚大会を楽しんだように
九月の品評会も錦魚を熱く楽しく語る日となりそうです(*^-^*)。